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本研究班が目指すもの

わが国でがんと診断された人の5年生存率は54%に達し、がんはもはや「死に直結する病い」ではなく「長くつきあう慢性病」に変化しています。医療政策やがん研究の分野では、がんと診断された人が社会人として長期的な自己実現を目指す“がんサバイバーシップ”の考え方が重要視されるようになりました。がん診断後の日常生活において、「働くこと」はきわめて重要な意味を持ちます。就労は経済的不安を軽減するだけにとどまらず、本人や家族に生きる活力をもたらします。また、貴重な人材を活用することで、職場の生産性向上や社会全体の活性化にも大きく役立ちます。

しかし実際には、がん治療を受ける本人や家族は就業場面でさまざまな困難に直面し、相談窓口も乏しいのが現状です。充実した就労を実現するためには、本人、家族、職場関係者、治療担当者、産業保健担当者らの間で、情報共有や連携が欠かせません。職場や医療現場での支援力の強化も課題です。

本プロジェクトは、以下の3点を目指します。

  1. がん治療を受ける本人と家族の就業実態と情報ニーズ、至適な就業の関連要因を明らかにする。
  2. 就業環境整備のキーパーソンである人事労務担当者、産業保健担当者、治療担当者の問題意識や支援実態を明らかにし、支援力強化への課題を明らかにする。
  3. 本人・家族、人事労務担当者、産業保健担当者、治療担当者のそれぞれに向けた支援リソースを開発し、評価する。

みなさまから広くご意見を賜ることができれば幸いです。

主任研究者 獨協医科大学公衆衛生学講座 高橋 都